冬の星座・土星観望会 
 2006年1月3日,恒例の真冬の観望会が,いつもの吉野川河川敷にて開かれました。寒さゆえ,当然のごとく,参加者は少ないのも恒例。かつては,猛吹雪に見舞われて,速攻でお茶屋さんに逃げ込んだこともありました。さて,今回も天候が気になりながらの開催です。
 予定開始時刻は午後7時。一番乗りは,遠方からの参加していただいたごんぞーさんに(帰省中の)satoさん。それからコーチさん。なぜかギリギリに滑り込むのは最も家が近いピッコロさんです。
 ※高越山のときは,必ず一番乗りなんだけどな。。。
   あっ,やっぱり遠い人が早く着くんだ。
 そして気になる天候は?車載の外気温計では,気温5℃。
ところが風がスゴイ!!!強風。。。体感気温は0℃くらいかもしれません。車で壁を作って,とりあえず望遠鏡をセットしようとしますが,寒さのせいで手順がバラバラ。防寒はしっかりしてるつもりですが,どうも足下から冷えがきます。これはヤバイ。
 さて今回の望遠鏡セッティング一番乗りは,珍しくOMC−140です。でも自作フードを忘れてきました。あまり違いはないと思いますが,ホコリがメニスカスの部分に溜まるかも。
 WS−30mmで70倍弱。実視野は1°強。西に傾いた三日月を入れてファインダーを合わそうとするのですが,筒っぽを月に向けても何も見えません。えっ?なんで?と思っていたら,satoさんが『キャップついてたら見えんのと違うん。』
 (・◇・;;)
 
 そうこうしてるうちに,fukudaさん登場。超お久しぶりです!昨年は小惑星の掩蔽観測で大活躍。今回は愛機PENTAXの75SD屈折を持って来てくれました。 

 架台はなんと
五藤のマークX!
 こういうシーイングの良くないときは,小口径の屈折機が一番です。気流の乱れをそれほど受けることなく,きれいな点像の☆を見せてくれます。二重星団やすばる等を見せていただきましたが,低倍率で全体が見渡すことができ,星空散歩には最適な筒ですね。空の状況を見極めて,機材を選んで持ってきてくれるところがさすがベテラン! 
 
  続いて準備が進んでいくのが,コーチさんの撮影セット。手際よく重量級の機材が組み立てられていきます。主なところはEM−200PENTAX10.5EDHF屈折,FS−60Cフローライト屈折。バランスが見事です。今夜は,徳島市内の(明るい)空の下で,どれくらいのものが撮影できるかに挑戦してみます,とのこと。目的意識が明確ですね。そうそう,天文雑誌の先月号〜今月号にかけてフォトコンテストに見事に入選。三誌制覇です。スゴイ!
 撮影した画像を早速見せてもらいました。ところが,カメラからのプレビューを見るとM42は真っ白!聞くところによると,これで画像処理を施すとくっきりと星雲が浮かび上がってくるとか。
 う〜ん,未経験者には,驚きが先走って,理解が追いつかない部分がありますが,そういうことなんだと無理矢理に納得。また個人的に撮影したくなったときは,弟子入りさせてください。 
 
 その次はというと,えーと,そうなんです。今夜はかなりの数の望遠鏡がそろいました。条件さえ良ければ,ちょっとした比較観望会もできそうです。そろそろ主役級その一の望遠鏡にも登場してもらいましょう。今回の活動紹介は,機材紹介特集です。
 紹介を続けます。左の画像は,ごんぞーさんの最新機種。MEADE製LX200GPS-30SMT。子どもの足くらいはある太くて頑丈そうな三脚,それが全てを物語ります。総重量は50kgを超えているそうです。こうなると体重だけでは人間ひとり分。セッティングだけでも一苦労二苦労なことは容易に想像できます。でもオーナーさんはさすがに手慣れたもので,見てる方が想像する以上に手早く,ごんぞーさんは作業を完了させていました。
 あちらからこちらからと何度も眺めてみましたが,これくらいあると,多少の風があっても本体はびくともしないでしょうね。でも腰を痛めないように気を付けてください。
 離れていても,
ウィーン!とハイテク機種らしい音(?)を立てて,動いているのが,機械チックですごくいいです。本当に存在感のある望遠鏡です。そこにこの望遠鏡があるだけで,観望会の本格度がアップした気持ちになるのは私だけでしょうか。

 今夜は,シーイングがひどくて,見せてもらったM42の中のトラペジウムに土星に火星と,どれも踊りまくってました。一度,落ち着いた気流の元で,じっくりと30cmの解像力と集光力を見てみたいものです。  
 
 
どんどんいきましょう。
 続くは,おなじみのosakaさん
ミューロン210
 でも,よく見ると(いや,よく見なくても)いつもと違います。写真をご覧下さい。過去の活動報告にある写真と比べてください。さてどこが違うか見つけてみましょう。正解した人には,この望遠鏡の持ち主から歌を一曲プレゼント。
(0゜▽゜)0
 はい,正解はバランスウェイトです。この長いシャフト。地面すれすれまでに長いものに変更されて,理想的なモーメントで,うまくバランスがとれるそうです。見たときは本当に地面に接触するのでは,と思ってしまうほど。ロッテのピッチャーにいますよね。よく似た動きの。。。あの印象です。今回は,最新兵器の公害カットフィルターを装着してのM42を見せていただきました。なるほど確かに見え方が違う!複雑に伸びた星雲の腕の詳細が良くわかります。日々進化を遂げるミューロンでした。
 
 
同じく,観望会の主の一機。yamaさんセレストロン製20cmシュミットカセグレン。いつも惑星観望にはすばらしい解像力を見せてくれている鏡筒です。
 でも,この夜はかなりひどいシーイング。この状況下では惑星を対象ということでは,実力を発揮できません。土星を見せてもらいましたが,細部はほとんどわかりませんでした。こちらも落ち着いた気流のときに,じっくりと眺めてみたい気がします。
 yamaさんは昨日まで剣山の方へ行かれていたとのこと。お疲れのところ,ご参加いただきて感謝。
 
 
 いよいよ望遠鏡の紹介シリーズ最終機種です。
 ダヤンさん
40cm自作ドブソニアン。いつもこの望遠鏡では,どれくらい見えるのだろうと,全ての天体においてそう感じさせる鏡筒です。重量も50kgを超えているらしく,ごんぞーさんの機種と共に当会の2台巨砲。
 今夜は,片付けの様子をつぶさにチェック。見させていただきましたが,そこには驚きの数々。40cm主鏡の保管ですが,ポリのゴミ箱用容器の蓋(?)をして,それを同じくポリ容器製の大型洗面器にボコっと伏せて完了。
 ビックリです。そしてそれが車にすっぽり。あざやか&お見事!
 
 
 さてさて,この夜のテーマは”冬の星座と土星の観望”。ところが強風のため土星は撃沈。それぞれの望遠鏡の視野にはおさめられはいたのですが,どれもチレチレにグニョグニョにポヨポヨ。それぞれの鏡筒の実力は発揮できていませんでした。土星以外にはというと,いくつかの星雲星団に向けられました。すばるやM46・47,M35あたりの星団とM42等の大型星雲は,しっかりと見えていましたが,惑星状星雲はさっぱりだったでしょうか。
 ピッコロさんは,かに星雲(M1)を入れようとしてみたのですが,位置は間違いないはずなのに70倍1°の視野に入っていないのです。おかしい。。。何度確かめてみても入っていない。本当におかしいなと念入りに見ていくと,あれま!情けない姿のM1があるじゃないですか。ひし形?佐渡島?いえいえ,ただの白いポワッとしただけのもの。悪気流の元では,70倍でもM1には高過ぎだったのかもしれません。M78も導入されていましたが,明確にはわかりづらかった様子でした。
 
 この夜は,猛烈な風の中,多くの会員さんが集まってくれました。妹さんたちご家族連れで参加していただいたogawaさん。終了間際になってましたが,かけつけてくださったidoさん。いつものように,,長距離を自転車こいで参加してくれたshimizuさん,無事帰り着きましたか?早く車の運転できるようになるといいですね。そして,最近始めた日本画を持って参加してくれたkobayashiさん。すばらしい作品の数々でした。また力作が完成したら見せてくださいね。あっ,MT−200も忘れずに。
 風がなく,透明度がもう少し良ければ,たくさんの望遠鏡が集まっていただけに,本当にわくわくの観望会のなったのに,そこが残念に思われるところでした。参加していただいた皆さん,これに懲りずにまた顔を見せてくださいね。
 参加者は,12名。帰りにお茶して帰りました。また次の機会にもご一緒してください。  
 皆さん,お疲れさまでした。


※次の予定ですが,
  3月末か4月初めに,一般の方にも案内しての土星の観望会。
  5月の連休頃に,彗星の撮影・観望会。
  7〜8月に写真撮影会・夏の天体観望会。
  などの話が出ました。また皆さんのご意見をお聞かせ下さい。 
  そうそう,2009年に日本で見られる皆既日食の話も出ています。関心のある方は声をかけてください。

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 寒いんです。寒いからなんです。手も凍ってるし頭も凍ってるんです。なかったことにしてください。
 ということで,その三日月ですが,高度が低く,気流の乱れが激しいため,シャープではありませんが,地球照とともに70倍で丸ごと見えているのは迫力です。