シリウスBは見えたでしょうか?  2022/04/08

 
 観望会係さんより『シリウスの伴星を確かめてみたいのですが・・』という声をかけてくれました。
 正式イベントではありませんが,HP更新があまりなくて寂しかったこともあり,声かけ観望会のプチリポートです。

 場所は吉野川南岸河川敷。19時半過ぎからの短時間開催です。

 ※
 シリウスBについては,『見てみましょう』キャンペーンを実施中の阿南市科学センターさんのHPに詳しい解説があります。ご覧ください。
 
 
 機材は,観望会係さんのタカハシ製ミューロン210。口径21cm焦点距離2415mm F11.5。

 ハードルの高い二重星の観望に向くのは,屈折,あるいは副鏡支持脚のないシュミットカセグレンやマクストフタイプの望遠鏡。
 ミューロン210は口径が21cmと大口径で優秀な鏡面精度を誇る望遠鏡ですが,副鏡支持脚(スパイダー)による星像の乱れという点では,二重星に対してのハードルは少し上がります。
 それでも,口径21cmもあると回折リングも十分に小さく暗くなり,伴星の方がおそらく(伴星の位置に近い)リングよりも明るく見えているはず。そうなると伴星を見ることができるかどうかは,この支持脚による像の乱れと気流による乱れへの対応,それと空の明るさの3つがポイントになってきそうに思います。
 そこで観望会係さんは,アンチディフラクションマスクを準備されていました。
 それがこちら。

 

 ミューロン210は副鏡支持脚が4本。それをマスキングするためのもの。これで,光量は減って星像は暗くなるものの支持脚による不要な光条がなくなるはず。
 実際に,星像は丸くなってるようです。

 さて,実際に覗いてみると,シリウスはけっこう踊ってます。気流が良くありません。それでもしばらく凝視していると,回折リングの隙間にチラホラと何かあるようにも感じます。もちろん全然確証はもてません。倍率を変えたり時間をおいたりして,何度かチャレンジしてみましたが状況は変わらず。
 徳島市内の空が明るいのと,気流が落ち着いていないこと,これが大きい。もう少し空が暗くて,気流が安定していると21cmですから,おそらく分離できていたのではと考えます。
 阿南市科学センターさんの方では,全国からの見えました・見えませんでしたの報告をまとめてくれいています。その中には,さじアストロパークの103cm反射望遠鏡でも『見えなかった』旨の報告がありました。1m越えの巨大望遠鏡による力任せのものであっても見えないことがある。最近では,大阪府枚方野外センターの60cm望遠鏡でも『見えず』の報告。気流や様々な条件が揃わないと,ハードルはいきなり高くなる。非常にデリケートな面が多々ありそうです。離角が大きくなっているとはいえ,シリウスBはかなりの難物には違いありません。

 時節的には,早い時間帯からシリウスの高度は下がってきます。夕方を過ぎると気流も乱れがち。やっぱり見頃は2〜3月なのかなぁ。また来年ですねと,今回はお開きになりました。

 参加したのは,Osakaさん,ダヤンさん(と,そのお知り合い),Yachinさん,ピッコロの5名でした。 

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