コーチさん宅の新設観測所を訪問させていただきました
 この度(実際はちょっと前ですが),当会会員のコーチさんが自宅に観測所を新設されたとのこと,見に来ませんか?とお声をかけていただいてました。
 でも,コーチさんが仕事関係の多忙な日々が続き,なかなか訪問できていませんでした。
 それが,少し時間の都合がつきそうとのことで,2月22日,ご厚意に甘えて自宅観測所(撮影所)を訪問させていただくことになりました。

 コーチさんは,当会でもEishowさん,星翁さんとともに天文ガイドの最優秀賞受賞メンバーであり,天文各種星雑誌での入賞の常連さんと呼べるほどの高い撮影技術の持ち主です。

 場所は阿波市市場町ですが,近くに若干の街灯はあるものの,十分に暗い星空です。訪問した夜は,到着時は晴れ渡っていて,肉眼でもM42がコントラスト良く見えていました。
 コーチさんによると,22時に近くのパチンコ店の電灯が消えるそうで,それ以降は空の条件良く撮影ができるとのことです。
 さて,観測所ですがとてもコンパクトなスライディングルーフです。設置されている望遠鏡が大きいこともあり,室内は1〜2人でギリギリという印象です。
   現在,観測所に設置されているのは,タカハシのEM−400とGS製250RC鏡筒(リッチークレチアン鏡筒)です。
 EM−400赤道儀は,コーチさんの知人の方からの借り物だそうです。
 重量はEM−200とは比べようもないほどで,設置するときもかなり苦労されたそうです。ピラーだけでも40kg!!!もあるそうです。
 25cm鏡筒を載せて,スムーズに動いています。

 天体導入時の
 
『ウィーン』という音が高級そうっ・・という感想も。


   鏡筒も25cmとなると巨大です。
 でも,よく見ると側面が微妙に波打ってます。
 
???
 後で謎が解けたのですが,スライディングルーフに挟まれてしまったことがあったそうです。光軸は大丈夫なんでしょうか。。

 接眼部には,バーダープラネタリウム製の双眼装置が付いています。
 最初に,木星を見せていただきました。
 リッチークレチアン鏡筒は副鏡が大きく,眼視向けの望遠鏡ではありません
 でも,両眼視は非常に楽で,目幅とピントさえきちんと合わすことができれば,単眼視とは比較にならないほどの見え味が期待できます。
 木星も安定感良く,両目でじっくりと見ることができました。



 観測所から下りてきたところにある,コーチさんのメイン作業場(?)です。

 面白いのは,ここからお客さんが来たのを確認したり,リモートコントロールでスライディングルーフの開閉や電源の入切りができたりするそうです。
※それで,RC250を挟んでしまったみたいです。
 ◇◆大きな被害が出てなくて良かったですね。
 最近,撮影されたM51の画像を見せていただきました。
 
 Q:オートガイド用の☆は,どうやって探すんですか?
 コーチさん:
   すごく難しい場合があります。
   近くに明るい☆があればいいのですが,このM51のときも
   少し離れた場所にしか使えそうな☆がありませんでした。
   カメラを回転させて,ガイド星を所定の場所に持って来ます。
   でも,このM51の場合は,ガイド星が離れすぎていたので,
   M51を中央に持ってくることができませんでした。

 それでも,見事な画像を得られています。
 やっぱりスゴイ。
 のぶりんさんとも,『スゴイとしか言えないですね』って,顔を
見合わせました。

   

 
   主に使用しているSBIG社のCCDカメラだそうです。
 重そう。。
   室内では,今までに撮影された見事な天体写真アルバムに見入りました。


 
スゴイのセリフしか出てきません。さすがです。
 そして,コーチさんの天体写真教室・画像処理教室開始。
 会員さんからの質問もたくさん出されました。
 実際に撮影を目論んでいる人には,非常に参考になる内容だったと思います。
 
Q・・
 より『赤』を出すには・・・?
 バックの『黒』を締めるには・・・?
 M42の中央も周辺も両方きちんと表現するには・・・?
 フラット補正,ダーク補正について・・・?
 周辺減光への対処は・・・?
 カメラの適正について・・・?
 ピント合わせのコツは・・・?
 専門的で高度な内容のものが多く,うまくまとめることができません。
             <(_ _)>
 訪問前に,ある会員さんから,押し入れにお宝をたくさん保存されていますから,是非見せてもらってくださいと聞いてました。
 その一部が上の写真です。
 SE−200(20cm反射),15cmアクロマート屈折,VC200(バイザック),ε160・・・隣の戸棚にも,上の段にも下の段にも・・・。
 確かに,お宝級の機材がゴロゴロ。乾燥機も備えられていて,きちんと保管されている様子です。
 途中から曇ってしまって,観測所すぐ下の部屋で星空撮影談義で盛り上がりました。
 19時半始まりで,解散が22時半。3時間もおじゃましてしまいました。
 コーチさん,この度はお声かけいただきありがとうございました。
 勉強になりました。
※参加者は,コーチさん,ダヤンさん,のぶりんさん,ごんぞーさん,Yagiiさんご夫妻,Osakaさん,ピッコロの8名でした。
(追記)
 同会合に出席していたYagiiさんから,写真を送っていただきましたので,レポートに追加・紹介させていただきます。
 スライディングルーフの開口部より,オリオン座が見えています。
 雰囲気を写し出すテクは見事ですね。写真,ありがとうございました。
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