Radian 10mm 
 

 アイピースレポート第3弾。テレビューのラジアン10mmアイピースです。
 箱を空けると,意外に大きい印象があります。PENTAXのXLほどではありませんが,接眼部の重量バランスが気になりそうです。
 では早速のテストビューです。
 比較するのは,同じくテレビューのPL10.5mm。テレビューの製品群の中では旧タイプのプローゼルです。
 
 
 写真を見て,おわかりになると思いますが,この大きさの違い。左が比較用のPL10.5mm。
 
 まず火星に向けてみました。鏡筒は14cmマクカセです。焦点距離は2000mmなので,倍率はちょうど200倍。PLの方は10.5mmなので,約190倍。まあだいたい同じくらいです。
 冬場にしてはまずまずの気流状態。火星の視直径は16”ほどになってきています。200倍ですが,もちろんまだ倍率は上げることができそうです。
 見え具合が良いのかそれほどでないのか,やはり比較してみないとわかりませんので,PLに付け替えて,何度か比べてみました。
 コントラストの違いはわかりませんが,火星の輪郭は,ほんのわずかにラジアンの方がくっきりしています。また火星の周囲に存在するハレーションの大きさは,こちらもわずかにラジアンの方が小さいです。
 使用してみてすぐに,見えの違い以上に覗きやすさの違いの方が圧倒的に大きいことに気がつきます。
 視野レンズも大きく,アイレリーフも20mmもあり,目を近づけてしかめっつらをして覗かなくても大丈夫です。顔をそっと近づけるだけでOKといった感じで,これは評価できます。
 視野の広さは60°と50°で数値の上では,大差ないようですが,覗いた感じは全然違いました。
 次に,土星を見てみました。すぐに違いはわからないのですが,しばらく見つめていると輪郭のシャープさは,ラジアンの方が一段上だという感じがわかってきます。また,縞模様の見え具合も微妙に濃く見えるかなといった感じ。
 PLでは(目の周囲の筋肉が疲れて?)5分も続けて覗けませんが,ラジアンではそれができます。続けて見ていることができると,イメージの詳細も見えてきます。結果,ラジアンの方が良く見えたということになってきます。
 ぱっと見て,「違う!」という印象はまったくありませんが,じっくりと見ていると些細なところに違いがあれこれ気づいてくる。存在するのはそんな違いでした。それを大きいことだと思うか小さなことだと思うかは個人の問題かな。
 
 
 
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