4月16日 月・木星・土星観望会 
 2005年4月16日,いつもの吉野川河川敷にて月・木星・土星を観望対象にした一般向天体観望会を開きました。春真っ盛りといった土曜日,昼間も非常に暖かくて,夜のコンディションも良好であろうこが容易に想像できてました。
 さてその活動報告ですが,今回は趣向を変えて,並んでいた望遠鏡の紹介などを中心に状況報告としてみました。
 順番は,望遠鏡口径の大きい順。
 まずは何と言ってもダヤンさん
自作40cm大口径ドブソニアン。当会の誇る巨砲です。



 この望遠鏡は,そもそも星雲星団を見ることに威力を発揮します。鏡が大きい故,気流の影響を受けやすく,惑星の輪郭や細かい模様などがシーイングの乱れにうずもれてしまいがちになるので,よほど空の条件の良いときではないとシャープに見えるときは少ないのです。と個人的には思っているのですが,惑星本体の色を意識して観察する場合に限っては,はっきり言ってこの大きな口径がものを言います。木星の縞模様の微妙の色合いを検出する能力にかけては右に出る鏡筒は当会にはないでしょう。
 そしてこの大きな鏡筒を天体に向けて追尾する,この技術をもつダヤンさんでなくては,スムーズな運用は困難です。私も何度か動かさせてもらいましたが,どのくらいの力でどっちの方向にその力を入れたらいいものか,とまどうことばかりでした。ダヤンさんのテクはすごい。
 そのダヤンさんですが,現在,暗視野スコープを接眼部に取り付けて・・といった新兵器を開発中とのこと。楽しみです。
 続いて,osakaさん
ミューロン210,21cmの反射です。osakaさん曰く,鏡が少し汚れてきていて鏡面クリーニングの必要を感じているとか。それが原因か,だんだん見え味が下がっているように思うとのこと。
 でもこの夜の見え具合からは,まったく問題なし。見え味は,なかなかのもの。口径が21cmあると惑星像はかなり明るく感じます。解像度も良く土星の本体の影の部分や環の濃淡も良く見えていました。けどやっぱり気になるのは,手動追尾。まあこの夜は,地球の自転を実感して感激してる方が数名いましたけど。osakaさんの苦しい戦略(?)。それにしても星雲星団から惑星までオールマイティに使える望遠鏡です。



 次は,同じく20cm級。yamaさん
セレストロン20cmシュミットカセグレン。しばらく前は,シュミットカセグレン式の望遠鏡は,像が甘く,惑星には使用できないと言われていてことがありました。けれどもこの鏡筒を覗けば,そんな噂がまるっきりデタラメなことが理解できます。
 おそらくこの夜の土星像に関しては,この筒がNO.1。副鏡サポートの支持金具の悪影響がないため,惑星像の輪郭がくっきりしています。解像力も非常に良くて,カシニの空隙も黒い細線として確認できました。落ち着いた像で,図鑑で見るようなイメージでした。ただ少々気になったのは,他の鏡筒に比較して黄色い印象が強かったこと。これは補正板の材質によるものなのか,そのコーティングの質によるものか,あるいはアイピースとの組み合わせに原因があるものかはわかりません。


  
 そしてピッコロ(リポーター)の常用機のミューロン180です。
 実はこの鏡筒,ひょんなことから光軸を狂わせてしまって某研究所に調整を依頼してありました。そして戻ってきて2回目のテスト飛行でもありました。
 詳細はここに記載できませんが,ミューロン180は副鏡の接合部分にある特徴があり,そこに生じたあることが原因で光軸が狂うきっかけになっていたのです。二日前に自宅でテスト観察をしてみました。以前は180倍を超えると輪郭がソフトになりピントが決まらないことが多かったのが,そのときは300倍でピントの山をつかむことができました。それで安心して迎えたこの観望会だったのですが,思ったほど月面・土星についてはシャープではありません。鏡面が十分なじんでいない印象もありましたが,2時間ほど経過しても今一つでした。やっぱり副鏡サポート金具がよくないですね。シュミットカセと比べて惑星像の輪郭がギザっぽくなっています。
 この三脚・赤道儀・鏡筒の組み合わせのフォルムは気に入っているのですが。。。



 さて最後は,当夜の最小口径機,ウッチーさん
FS−102型10cmフローライト屈折です。
 フローライトの示す高いコントラストはもう常識。他の鏡筒の半分ほどの口径にも関わらず,安定性とシャープさはダントツ。参加者皆さんが口を揃えて,『屈折だよね〜。』
 このセリフが全てを物語っています。解像度では20シュミットカセに及びませんでしたが,高コントラスト&シャープネスのコンビネーションから表現される木星・土星・月面は見ていて飽きることがありません。
 小口径故の光量不足なんてのは短所にはならないくらいです。
 うわさではフローライトの屈折鏡筒は,生産がなくなっていくというのを耳にしました。本当なら大事にしてもらいたい鏡筒だと思います。

 
 
 
 この夜は,温暖で気流も良く,思った以上に参加者も集まってくれました。
 参加者は,ウッチーさんとその奥様(ご結婚おめでとうございます。当会の規定(?)では,会員の配偶者様は自動的に会員になることになってます (^^)  ということで会員が一名増えました。今後ともよろしくお願いします。),ogawaさんと妹さんとお友達,osakaさん,陸ちゃん(就職試験がんばれ!),コーチさん(お忙しい中,顔を見せていただいて感謝!),ダヤンさん,yamaさん,ピッコロ。一般の方は,30名前後。『土星』の威力でしょうか?いつもよりもけっこう多め。自然観察の会の方もお見えでした。また一緒に観望会ができるといいですね。  
 皆さん,お疲れさまでした。
 
 
 
戻る