声かけ観望会 2014/05/31

 ダヤンさんが,いつも声をかけてくれている(自主的)観望会です。
 レポートの回数は少ないですが,ダヤンさんは,かなりアグレッシブに星見に出かけられています。
 ※レポは,その中のほんの一部です。
 
 今回も,梅雨入り前の星見ということで,掲示板の方に声をかけてくれていました。とてもありがいたことです。
 ※皆さん,お気軽に参加してくださいね。
 
 さて,この日は,PM2.5に黄砂がかなり多めの予報。徳島市内からも大川原方面の山が白くとんで,山の輪郭もたどりにくいほど。でも,ダヤンさんが言うには,『微粒子が市内の光害を遮ってくれるかも』とのこと。それなら期待できるかなと,不安を消して出発。
 上の写真は,佐那河内村に入る所で沈みかけた細い月を,コンパクトデジカメで撮ったものです。
 こんな夕暮れを見ながら,細い月を見ながら山道を運転してると,星見に出かけてるんだという雰囲気が自分を包みます。
 駐車場に到着したら,ごんぞーさんもダヤンさんも店開きの準備中。特にごんぞーさんは,かなり早くから到着していて,巨砲の30cmを赤道儀モードで稼働可能にするために悪戦苦闘中でした。
 リポーターやダヤンさんが,あっちこっち観望してる間も,ギー,ゴギューン,ガガガ・・・と,うなるような機械音が聞こえてきていました。
 一人黙々と,でも長時間の苦闘の末,見事正常稼働するようになってました。
 途中,鏡筒を載せるのを手伝いましたが,本当に重たい。聞くところによると30kgはあるとのこと。。そりゃ一人ではたいへんです。

 この30cmシュミカセでは,いろいろな天体が導入されてましたが,M13なんかは口径の威力で,すばらしく星々に分解して見えていました。
 特にすごいと思ったのは,アンタレスの伴星がいとも簡単に分離できていたこと。10cmでも分離可能と言われていますが,少しでも気流や透明度が良くないと×。この夜は気流はそこそこ落ち着いていたものの,透明度は今イチ。そんな状況の中,赤いアンタレスの横にポチッと緑色の伴星が確認できました。伴星の本当の色は青白のはずなんですが,主星の強烈な赤の影響で(補色の?)緑に見えるのでしょうか?
 面白かったのは,コントローラーの『案内ガイド』が示してくれる”お薦め天体”。NGC○○○○,聞いたことのない天体名が次々と案内されます。向いているのは,おとめ座,かみのけ座方面なので系外星雲には違いないのですが,全くわかりません。そしてやっとM68とかのメシエが出てきましたが,それでもM68って何だったっけという感じ。
 でも,きちんと使えるようになって良かったですね。
 
 ダヤンさんも,店開き後順調に観望開始。
 でも,空の状況があまり上質でないので,本領発揮とはいかない様子。
 それでも,そんな状態の空でも,M51の渦巻きの感じや子持ちの感じがとてもよくわかります。空の状態の良いときの見えは,『こんなもんじゃない』そうです。
 NGC4565は見事は串団子状に見えました。倍率を聞くと100倍超。視野の端から端までエッジオンの銀河でした。
 M13もおきまりのごとく完全分離。M17なんかは白鳥を通り超してふやけてしまったイメージです。
 うわさに聞いていた土星も見せてもらいました。明るすぎてまぶしすぎます。前回ほどの見えではないとのことですが,本体の縞模様やカシニの空隙もよくわかります。何より見える衛星の数が違います。10cmだと際どく見えているテティスやディオネも余裕です。この夜は5〜6個見えていたでしょうか。
 それ以外にも,たくさんの天体を見せてくれました。この超大筒が動き出したら,天体写真の世界に入れます。他の望遠鏡は店じまいするしかないくらい。
 ただ,光量がありすぎることや低倍率が出せないこと等から,得意不得意もあるらしいです。系外星雲や球状星団には無敵ですが,散開星団や二重星は他の機材に任せた方が良かったりします。それから,低高度の天体は×だそうです。反射鏡は置いてあるだけ(!)なので,鏡筒が横になるのは,ちょっと良くないそうなんです。意外な弱点を聞いてビックリでした。
 
 本当に状態の良い空の下で見ると,いくつかの星雲は色がわかるそうです。
 『数(回数)見ないと出会えない』とは,ダヤンさんの言葉。確かにそうでしょうね。また,そんな機会に巡り会えることを期待しましょう。
 
 リポーターの今夜の主目的は,彗星観望でした。ちょうど,パンスターズ彗星(2012K1)が8等級で,ほぼ天頂に条件良く見えています。
 ※この彗星,もう少し明るくなり,日本からは長期間安定して観測することができます。
 位置の下調べをしてきていたので,ファインダー(では見えませんが)を使って簡単に導入できました。以前のラブジョイ彗星の感じと良く似ています。片ボケというか,コマ状に一方がぼけて見えています。尾があるというイメージではありません。けっこう集光はしています。
 機材はいつもの10cm屈折です。ときには参加望遠鏡の中で最大口径になるときもありますが,平均的には最小口径。これで星見の世界で個性が出せるポイントは,月・惑星のコントラストとシャープさ。それから低倍率・広視野での星空散歩。ここでけっこういい味を出すのが,バーダープラネタリウム製のアイピースです。今宵使用したのは,ハイペリオン25mm。このアイピースを使うと約28倍。視野は2°強。鏡筒の収差の少なさと相まって,視野の端っこまでピンポイントのシャープな点像で星空散歩ができます。
 M65,M66,M104,NGC2903などを見ましたが,これらは大口径の前では悲しくなるだけです。ところがM6,M7,M8,M20,M21,M23〜25などの散開星団は,宇宙を散歩している感がいっぱいになります。針で突いたような星像,本当にこれがピッタリ当てはまります。天の川をバックに鏡筒を振り回すと,いろいろな天体が飛び込んできて,これは何?と行き当たりばったりな観望を楽しむことができました。
 
 今夜は,ごんぞーさん,ダヤンさん,ピッコロの他にKoroさんも来てくれました。
 Koroさんは,ポラリエを持って来られていて,キヤノンのデジタル一眼で撮影をされていました。
 ※お気に入りのが撮影できてたら,ぜひアルバムの方に届けてくださいね。
     
 解散したのは0時を過ぎていました。下山途中は,タヌキ,タヌキ,タヌキ・・・一生懸命に逃げる後ろ姿はとってもかわいい。
 あまりに飛び出しが多かったので,速度は出せませんでした。ゴメンねタヌキさんたち。

 今回は,比較的新しく入会された皆さんに案内メールをお届けしました。
 参加できないことを申し訳なさそうに返信をいただいた会員さんも数名いらっしゃいましたが,あまり気にしないでくださいね。行きたくなったら来てくださいが基本ですから。
 また次回どこかでお会いしましょう。

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