観望(させてもらう)会@南阿波サンライン第2展望台
2015/10/11




 当初は,前回と同じ潮吹岩展望台での観望会という予定でした。
 ところが,南阿波サンラインにダヤンさんが大型機材を持ち込むこと,それから他県の方で大きな望遠鏡をお持ちの方がやってくるという情報が舞い込んで,それならそちらにしましょうかという単純な判断から,急遽,会場変更となりました。徳島中心部方面からは,潮吹岩展望台よりも,さらに車で15〜20分程度必要な距離にある場所になります。
 それでも,空の暗さは潮吹岩展望台よりも一段暗い印象のある所です。
 まあ,連休の中日ですから,そこそこ遅くなっても大丈夫でしょう。
 ※リポーターは夕方まで仕事があって,それもこの日は終日屋外で土ぼこりだらけになって疲労困憊。帰宅してお風呂に入って,ごはん食べて出発。まあまあ過酷なドライブでした。

 到着は20時前。
 海の男さんは,明るいうちから到着していてやる気満々。ダヤンさんも55cm双眼を組立完了してました。また,高知県からやってきたという方も50cmのドブソニアンを組み立てて調整をされていました。
 新入会のYamanoriさんも早々に到着。女性一人で長距離運転というのも何のその,ナビをお伴に難なく到着してたみたいです。

 到着後すぐは,空の多くを覆う筋状の雲やうろこ雲があり,観望どころではありません。海の男さんも撮影どころじゃないですと,しばらくは雲間からの星座めぐり。
 『夏の大三角は,ど〜こだ?』
 『はくちょう座は,ど〜れだ?』
 みたいな感じで,ベガ,デネブ,アルタイル,いるか座,カシオペア座を巡っていきます。
 途中,海の男さんがキヤノンのスタビライザー付きの双眼鏡で,ペルセウス座の二重星団やアンドロメダ座大星雲を見せてくれました。
 少し空が開けてきた頃でしょうか,Osakaさんも到着です。
 星座めぐりpart2です。でも,りゅう座だけで終わっちゃいました。。。

 リポーターはというと,本日持ち込み機材なし。軽量の双眼鏡だけです。というのも,『大口径の望遠鏡が集まる』ってことで,今夜は『見せてもらおう!』って,依存心満々。というか,本当は撮影もと考えていたのですが,昼間の仕事疲れで機材を積み込む元気がなかったんです。


 で,  こんな場面設定でしたが,ダヤンさんが
 『そろそろ見ませんか?』と,お誘いの声。
 移動式双眼望遠鏡としては世界最大の55cm双眼ドブソニアンです。天体を覗きながら少々動かせていただきましたが,こんな大きな機材なのに,かなりスムーズで扱いやすい印象でした。

 さて,最初に見せていただいたのは,M27(こぎつね座のあれい状星雲)です。50cmを超える大口径なので,良く見えるのは当たり前なんですが,何よりも『双眼視』の威力が大きいと感じます。大口径,心理的な立体視,両目で見ることのストレスのなさ,そんな3つどもえの条件が重なって,異次元のイメージが目前に広がります。
 今まで,見たことのないM27です。本当にすごい!まだ未経験の方はぜひ。
 それから後も,
 アンドロメダ座大星雲M31(腕が2本,暗黒部が見えます。横にくっついているM32,NGC205も輪郭がしっかりわかります。)
 M33 さんかく座の系外星雲(すごく薄い。空の良いときはグルグル(に見える)だそうです。)
 M57 こと座のドーナツ星雲(2種類の倍率で見せていただきました。中心星は見えませんが,ドーナツはくっきり。両端のギザギザの雰囲気が伝わります。)
 NGC253 ちょうこくしつ座の系外星雲(でっかい!長い!うずまきはわからない系外星雲ですが,ごつごつの暗黒帯が超明確)
 M15 ペガスス座球状星団(小さめの球状星団ですが,個人的には当夜ではこれが一番のイメージ。完全分離は当然ですが立体的に感じられます。中央部の暗黒部分も見えます。)
 はくちょう座網状星雲(くねくねしています。ヒルトップの50cmでも見ましたが,ねじれた感じの詳細がわかる解像力はこちらが遙かに上です。)
 ペルセウス座二重星団(迫力があります。ただ,星の色はもっと見えてもいいかなって感じました。)
 プレアデス星団M45(まぶしいくらいの星々。絹目調にかかるベールのようなガスは見えませんでした。これは空の状態がイマイチだからでしょうか。)
 天王星(青っぽく,きっちり円盤状の面積体で見えます。)
 あと,聞いたことのないような星雲とか,骸骨星雲とか見せてもらえましたが,マイナー過ぎの天体で,薄くて・・,わかりにくくて,『・・・・・。』で終わってしまいました。気持ちの準備ができていないままでした。

 まあ,この夜は空の状態があまり良くなくて,天の川も良く見えるのですが,大川原の平均的な天の川と大差なし。もっと状態が良ければ,まだまだすごい見え方をしてくれるということです。


 ダヤンさんの55cmのすぐ横で,高知県から来ていた方が50cmで網状星雲を見せてくれました。
 倍率が低めのこともあるのでしょうし,55cmの双眼との違いが大きいのだと思います。くねくねの具合はあまりわかりません。ただ,OVというコントラスト増強フィルターをかけているので,コントラストや全体のイメージは55cm双眼よりも遙かにしっかりと見えていました。フィルターワークおそるべしです。





 晴れ間が広がってきて,海の男さんも撮影に入っていました。
 機材の横で座り込んで撮影テクをいくつか教えてもらいましたが,ずいぶんとこなれた作業手順を身に付けている様子が伝わりました。Yamanoriさんといっしょに聞かせていただきました。

 暗闇の中でのこうした,のんびりとした会話も時間を忘れさせてくれて,とても楽しいものです。
 
 
 リポーターは23時過ぎに当地を後にしました。
 帰る途中,Osakaさんが『来る途中,親子のシカとぶつかりかけました。』と聞いていたので,少し期待していたのですが,出会えたのは,あまり茶色くない模様のくっきりしたタヌキ。道路の真ん中で近づいているのに,ギリギリまで逃げる気配がなくてビックリしました。
 東の空にはオリオン座も見えてきていました。

 参加していただいた会員さんは,ダヤンさん,海の男さん,Yamanoriさん,Osakaさん,ピッコロの5名でした。若干肌寒い中,皆さんお疲れさまでした。
 また次回,よろしくお願いします。
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