鳴門市環境学習館依頼の『天体観望会』
2020/10/24
恒例イベントの一つ。 いつもは依頼を受けて,夏休み中に開催されるイベントですが,今回は新型コロナの関係で一度は中止になっていたもの。 そのイベントが,県のアラートレベルの低下に合わせて再度開催されたというのがいきさつです。 ということで,例年と同じ場所で同じような形式での開催。ただ,今回はいくつかいつもとは違う部分もありました。 開始予定時刻は18時30分ですが,既に空も暗くなっていることもあり,集まった人から望遠鏡を覗いてもらってもいいという設定。 |
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17時過ぎ,現場に一番自宅が近いOsakaさんは,もう望遠鏡のセッティングを済ませていました。 雲もほとんどなく,木星・土星も半月過ぎの月もきれいに見えています。参加者さんも数名到着していて,担当者の方も含め何人かに21cmミューロンで月面観望をスタートしていました。 『まぶしい』,『こんなに見えるんだぁ』,『月をこんな風に見たのは初めてです』『迫力ですね』といった声が次々に聞こえてきていました。 |
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さて,この観望会がいつもと違う点の一つは,新型コロナ対策です。 受付での消毒や体温チェックの他,望遠鏡を覗くときに小さな円柱形の器具を目に当てて接眼部を覗いてもらうというもの。まあ器具といっても,台所用品のラップの芯を3cm程度にカットしたものです。※裏では,この”3cmの筒”を見つけるのに,観望会係さんの(たぶん)涙ぐましい実験と検証がありました。これを参加者数(50名)分,準備してくれたのは市の環境課の皆さん。ちょっとたいへんだったかもと感謝の念です。 覗いてくれた参加者の皆さんたちは,それほど違和感なく使用してもらえていた気がします。また,円形の心材を目に当てて,それを接眼部に当てることから,視線軸が安定して,スムーズに観望できていたような気もしました。 |
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そしてもう一ついつもと違う大きなポイント。 電子観望。 ダヤンさんが,口径7.2cm屈折機にCMOSカメラを接続して,PCを介してプロジェクターで投影。少々強めの風があってスクリーンが倒れるハプニングもありましたが,紙でできたものなのでケガの心配等はありません。 それよりも,映し出されるM27やM31に驚きの声があがっていました。予想以上に好評! |
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Natsuさんが話し相手をしてくれてた小学生の一人から,M31が見たいという話になったそうです。それでダヤンさんのところへ行くと,大きなアンドロメダ座大星雲にびっくり。見事に願望成就。電子観望にも興味を持ったらしく,ダヤンさんに質問攻めとのことでした。 |
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のぶりんさんは,おなじみの20cmシュミットカセグレン。 こちらは,スマホを当てて月面撮影ができるとのうわさが広がって超人気スポットになっていました。20cmもの口径があると光量は肉眼の800倍以上。スマホ画面に映し出される月面の明るさは半端ありません。うまく写ったときの歓声も半端ではなかったですね。2 |
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Yamaさんも同じく20cmシュミットカセグレン。大口径,月・惑星向けに威力を発揮します。木星,土星を見ていた人たちから,『縞々が見える,輪っかがある!』と悲鳴にも似た声が出ていました。一年に一度の出撃?でも,うなり音をあげて元気に稼動していました。 |
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当夜準備された機材は5台。Kumaさんがあちこちを見て回って,導入天体を案内してくれてました。こちらは10cm屈折機ですが,惑星は他の大きな口径機に任せて月面一筋。Kumaさんが(案内のために)『今は何を?』って何度も尋ねてくれるのですが,いつも返事は『月・・・』。 ちょうど静かの海が真ん中に見えていたので,アポロ11号の着陸地点などを案内しました。 驚いたのは,『見ている月と左右反対に見えてますね』と指摘されたことが多数。いつもは一人いるかいないかレベルなんですが,しっかりと観察してくれている様子でした。 お客さんが少なくなってから火星を導入してみましたが,ムーン&スカイグローフィルターを付けて見ると,輪郭が締まった上に模様もしっかりとしてきます。これはけっこう好評でした。※値段は2Kでおつりがきたフィルターなんです。 |
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この観望会ですが,いつものように小学生や小さなお子さんの参加もたくさんありました。 その中で,Natsuさんがお相手をしてくれていた小学生たちの何人かから 『星のソムリエになりたい。』 『今日から星が好きになった。』 といった声が聞かれたそうです。機材を使わなくても,あちこちで気持ちを寄せての星空案内が展開されていたようです。こんなのも観望会の美点ですよね。 若干寒かったけど,電子観望で,望遠鏡で,親近感満載の星空案内で,多くの参加者さんたちが個々に良い星時間を体験できたのではと感じました。 |