鳴門市環境学習館依頼『天体観望会』2024年1回目
2024/08/08
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鳴門市依頼の天体観望会,当会としては恒例の観望会となっています。 場所は,鳴門市ウチノ海総合公園グラウンド。それほど空が暗いという場所ではありませんが,広々として,駐車場も広く,トイレ,自販機完備と,一般の参会者にとっては安心して使える場所でもあります。 今年も従来と同様年に2回の開催予定で,1回目となる今回は細い月と夏の星座(天体)が主な観望対象です。申込参会者は61名とのこと。 この2回の観望会について,今までと異なるのは構成があること。この1回目の観望会は,最初に三日月の観望。月を最初に観望しておかないと,高度が下がり見え具合はグッと低下していきます。スタート時から各望遠鏡は,この月に向くことになります。そして一段落後,当夜見えている星空に関しての星空解説と観望予定の天体紹介等。今回は,スクリーンを準備して,StellaNavigatorにて星空の様子をシュミレート投影します。 過去の(鳴門市依頼の)観望会で,望遠鏡で天体を見せているとき,離れたところから『これが七夕の彦星です・・・』といった案内の声が聞こえてくると,機材前に並んでいたお客さんたちが,こぞって『どれどれ?』『どの☆が彦星なん?』と口々に話し始めるといったことが,たっくさんありました。そのたびに,参加してくれている人たちの多くは,望遠鏡で天体を見るだけでなく,星座や星座にまつわることにも関心があって観望会に来ているといった感触を持っていたんです。 そんな理由から,今回は前半に月の観望,星空解説を挟んで後半は一般天体の観望と構成としました。 まずは,今回集まった機材たちの紹介です。20cm以上が8割を占めるという豪華な機材群。※順不同 |
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20cmミューロン: 口径もあり,惑星に星雲星団にとオールマイティで扱い安い良い望遠鏡です。 最近では,数少ない完全手動導入による運用。 |
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20cmニュートン反射: 前回は,キラキラの風貌が子どもたちの注目を集めていましたが,さて今宵は? 純ニュートンの鋭像が決め手です。 |
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20cmシュミットカセグレン: 長焦点なのに取り回しがとても楽。 自動導入にて,明るい空の下でも導入に威力を発揮。 |
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40cmドブソニアン: 当夜の最大口径機。 借り物とのことですが,使用者がおっしゃるには『小型』だそうです。 |
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10.6cm屈折: 当夜の最小口径機。 コントラストはとても良く,月観望は得意です。 |
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<さて,活動報告ですが,申し訳ありませんが今回のリポートも前回同様,機材から離れることができなかったため限られた内容の報告となります。ご了承ください。> 予定通りに月の観望からのスタート。暮れゆく夕空に,三日月がコントラスト良く見えています。 見回してみると,ほとんどがお母さんとお子さんとでの参加でしょうか。61名の参加と聞いても,それほど多くには感じません。 今回は,望遠鏡に並んでくれてる参会者さんたちに,次々と尋ねてみました。 『今回の観望会に申し込まれたのは,どちらの方なんですか?』 すると,ほとんどが申込はお母さん。『私が行こっと誘ったら子どももいいよって』。そんな回答がほとんどというか,尋ねた限りではほぼ全て。 実際には,月を覗いてもらいながら,『三日月なのに丸く見えます,これはどうしてですか?』とか,『向こうの望遠鏡と向きが違って見えるんですけど・・』と質問を投げかけてくるのは,全部大人。子どもが望遠鏡を覗いても,1秒で終了というのが多かったかな。まあ,それは今回に限ったことではないのですが,やっぱり天文,宇宙に関心が向くのは大人の方が遙かに多いのかなぁって。 まあ,子どもでしっかりと覗いてくれる子も,そこそこにはいるのですが少数。ファインダーの方を興味深く覗いてみる子も多く,天体というよりも望遠鏡の方に関心があるような印象でした。これもいつものことですね。 途中,英語とは異なる言葉で話している家族連れが月を覗きに来てくれました。 『どちらの国から来られているのですか?』と尋ねてみると,『ウクライナから来ました。』と。『ウクライナでは何語が使われているんですか?』と尋ねると『ロシア語です。』『ロシア語では,月は何て言うんですか?』には,『ルナです。』 そんな短い会話がいくつかできました。祖国のことを思うと,気楽に星空を眺めている場合ではないのかもしれません。いろいろと気がかりはあるのではと推察できましたが,今宵は月を見て楽しんでもらえたらと感じました。 |
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気がつけば,望遠鏡に並ぶ列も消え,意外にあっさりと月の観望は終了してしまったような感じ。 そりや,5台の望遠鏡がどれも月に向けられていて,どれを見ても同じようであれば,早く次って,期待してしまうんでしょうね。 ということで,ここから予定通りに星空解説を挟みます。 今夜は,大きなスクリーンも用意してもらえて(支えてくれていた方,ありがとうございます),StellaNavigatorの画面を映し出します。 雲が多い予想だったので,何をどう説明するかは現地現場判断と思っていたのですが,超快晴。どんな話の展開も可能な状態でした。 それで,一等星の紹介,夏の大三角と七夕,ギリシャ神話の紹介を一つ(さそり座とどっちにしようかと迷いましたが,真上に良く見えていること座のお話をセレクト),そして,今夜,望遠鏡で案内できそうな天体の概要をいくつかお話しました。 後半の部に,どれくらいの時間を用意すればいいか読めなかったのですが,もう少しスクリーン画面の方に目を向けてもらう話し方にした方が良かったかなと反省。 聞くだけでは飽きやすく,いろいろな形での情報の伝え方は大事ですからね。 |
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リポーターの機材では,ファインダーのネジの具合が良くなくて,ズレてしまって以降,元にもどせなくなってしまいました。また,空が明るい?こともあるのでしょうか。機能しないファインダーではM13を捕まえることができません,というか見えなかった?! 結局,こと座εとM57,M8程度しか案内できませんでした。 こうなると自動導入をうらやましく感じてしまいますね。 他の機材方向からは,いくつか歓声も聞こえてきていました。きっと,導入した天体を見ての感動があったのだろうと,一人ポツンと安堵していたところです。 参加協力者はOsakaさん,Yamaさん,Kumaさん,モレキュールさん,ダヤンさん,ピッコロの6名でした。 皆様,お疲れさまでした。2回目の観望会も快晴だといいですね。 <追記> 会員さんより教えていただいた内容を加味した追加状況報告です。 ○かんむり座の新星について話題にしてくれた参加者さんがいました。最新情報に詳しいことに驚き。→こちらも最新情報を仕入れておかないと・・・。 ○全体的にかなりの盛況ぶりで,終了時刻になっても残って望遠鏡を覗く参会者さんが多数。そのため,低高度ながら予定外の土星を観望できました。→大好評! ○いろいろと知識豊富な方や天文にかなり関心のある参会者さんが多かった様子。→一歩踏み込んだ質問もありました。 ○過去の観望会から続けて参加してくれている人もいました。→構成を工夫して,旧来のものとはまた違った印象の観望会にしていく必要があるのかも。 |