鳴門市環境学習館依頼『天体観望会』2025年1回目
2025/08/16
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恒例の鳴門市環境学習課依頼の天体観望会。2025年の第一回目は8月16日。参加予定は55名ほどとのこと。 場所は,いつもの鳴門市ウチノ海総合公園グラウンド。一度,観望会係さんと下見を行いましたが,もう一年が経つんだなあという思いが浮かんで来ました。一年前と違っている点といえば,芝生のような下草が一面覆っていることくらいでしょうか。まあ,多少なりともホコリは立ちにくく,気温も上がりにくいかな。でも蚊がやってきそう。 今回の観望対象には惑星も月も入っていません。テーマは『夏の星空,夏の星座』,思いっきり天候に左右されそうな感じです。当夜の天気予報はというと概ね晴れ(ときどき曇り)。ベタ曇りや雨の心配はなさそうなんですが,怪しげな雲が西の方にあって,観望会係さんからは,接近してきてると聞いて,あと数時間もってくれたらいいなぁと。 19時半観望会スタートですが,開始前の時点では夏の一等星が4つとも見えているようです。でも,何とか・・です。確かに空は明るく,白っぽい。リポーターは望遠鏡をセットしながら,『今夜は何が見えるかなあ?星空紹介では何を話そうか?』そんなことばかり考えていました。 とりあえず,視力0.9のリポーターでも,ベガからアンタレス,デネブ,アルタイルと確認できました。とりあえず一等星の紹介とさそり座などの説明はできるかなと,大まかな星空案内の内容を考えました。あとは思いつくままに・・・です。 (空の具合から,天体望遠鏡で見える天体が多くないかもと思い)少しだけ長めの星空案内を目指しました。 19時50分,天体望遠鏡での天体観察に切り替わります。※申し訳ありませんが,ここからはリポーター機材近辺のみのリポートとなります。 何度見上げても空の状況は良くありません。薄雲もあちらこちらに見られます。当夜は空が白っぽく暗い天体は見えにくいかもと聞かされていたので,リポーターは10cm屈折を23倍で固定。観察対象もM7とアルビレオの2天体のみと,大胆な観察作戦を立てていました。ところが,最初に導入を試みたM7が5cmのファインダーで見えません仕方ないので勘で導入。本鏡筒で覗くと見えています。だけど,思いっきり灰色。☆は淡い白色。まるで視野全体が霞の中のような印象。M7は見えるには見えるけど,X形に並ぶ星々は,どれも煙の向こう側って感じ。これでは見てもらっても,印象を悪くするだけ。 というわけで,アルビレオに移動。 天頂付近には雲もなく,こちらは思惑通り,離れ具合が『二重星らしい』感じで,見事に色合がわかります。もう今夜は他の天体は諦めよう。アルビレオ一本でいこう。そう決意していたとき,遠くの方から『こちらの望遠鏡には,はくちょう座のアルビレオが入っています。』と,望遠鏡で見えている天体案内役のKumaさんの声。間髪を入れず,『こちらの望遠鏡でもアルビレオが見られます。』 誰がよんだか”アルビレオ祭り” 意外に多くの人が覗きに来てくれました。反応は,『星がたくさん見える!』がダントツで多かったですね。 自分から参加を申し込んで来たという中学生の女の子が,『何個星が見えてるか数えます』と,本当に数えてくれました。聞いてみると『39個でアルビレオを入れると41個!』との回答。 家族の方も,色がとても良くわかるとおっしゃってました。また別の方も,『色が濃くてわかりやすい。これは黄色じゃなくて宮澤賢治の言う金色というのも頷けます。』と。 こんなに一つの天体ばかりずっと導入していたのは初めて。終始,アルビレオばかり観望したのも初めて。 まあ,今夜のこの空では仕方ないかなって。 このときの23倍アルビレオのイメージ(写真でもスケッチでもありません)を残しておきたいと思います。この中学生の女の子が数えてくれた41という数字を元に,明るさを限定してプラネタリウムソフトを使って恒星数と位置を調整しました。<下図> |
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観望会リポートですが,参加していただいた各会員さんより,掲示板の方に記載されています。そちらの方に詳しく書かれていますので,臨場感を味わいながら読めるのではと思います。ぜひとも掲示板の書き込みをお読みください。 この夜,並んだ望遠鏡たち。, |
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市の担当者の方が,『今夜は,終了時刻が近づいても,残って望遠鏡から離れない人が多い感じですね。』と話されていました。 十分な天体の観察ができていなくても,何か心惹かれるものがあったのかもしれません。 電子観望に感動した人も多かったみたいです。 また,Moleculeさんは早見盤を用意して,子どもたちに活用体験を考えてくれていたり,プレゼント用の天体写真を準備してくれていたりと,工夫して観望会を盛り上げてくれていました。 子どもたちの多くは空間認識力等がまだまだ未発達で,天体や宇宙の意味を十分には理解し得ていないと考えます。星・宇宙に興味を持つ子どもはわずか(多くはないということ)かもしれません。そんな子どもたちの実態の中,『興味のない中に興味を作り出す』。Moleculeさんのアプローチにはそんな可能性を感じます。写真をもらった,早見盤を扱わせてもらえたといった小さな体験が,今後,宇宙に意識が向くきっかけになるかもしれないと思いました。 今回の観望会への参加協力は,(順不同)Moleculeさん,Kumaさん,Osakaさん,のぶりんさん,のじ。さん,陸ちゃん,るなさん,ダヤンさん,yamaさん,ピッコロの10名でした。 お世話になりました。 |