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Tokushima Astronomical Research Association

5月の星空案内

 話題に上っていたポン・ブルックス彗星(12P)はご覧になられたでしょうか。
 ずいぶん前から明るくなると注目はされていた彗星ですが,最大光度で4等程度。低高度を考えると肉眼彗星とはいえない彗星でした。それでも,めったにない『明るめ』な彗星に,望遠鏡やカメラが多数向けられていたようです。
 担当も,とりあえずは見ておきたいと,吉野川河川敷を西の方から徳島市内までの数カ所にて,双眼鏡を向けてみました。徳島市内では見えなかったのですが,石井町ではしっかりと見えました。短時間であったものの尾の確認もできました。
 この彗星,4等というのは微妙な明るさです。もう少し明るいとぐっと見えてくるものなんですが,彗星としては何とも弱々しい明るさだと言わざるを得ません。こうなると待ち遠しいのは紫金山アトラス彗星です。最新の情報からは,最大光度0等,もしかしたら-4等という予報?予想?が出ています。ただ,この彗星も明るくなってくる頃は低高度で,観察場所選びに苦労しそうな気がします。また,接近が近づけば,詳細をまとめていきたいと思っています。
 さて,5月の星空です。
 今月,目を引くのは5日の火星食です。そこそこに珍しい現象ではあるのですが,何ぶん白昼での天文現象。クリアに見えるわけはありません。
 徳島市内での火星の潜入は12時04分。火星は面積があるので,隠されるのに10秒程度の時間がかかります。出現は13時15分。(緯度経度の違いによる正確な時刻には,各自調べてみてください。)
 下図は正午00分時の月と火星の状況です。

 肉眼では観察不可能。問題は双眼鏡や望遠鏡で見つけられるかどうかになります。※太陽からは離れてはいますが,勢いで太陽を見てしまわないよう,くれぐれもご注意ください!
 青空の中での1等の火星はとても淡く,見つけるのは困難。なので,問題となるのは,青空の中で細い月(月齢26.4)を見つけられるかどうかでしょう。自動導入機能のある架台であれば,問題なく導入可能だと考えます。同機能のない場合は,低倍率広視野で探すのがオススメ。※2002年12月30日,このときも白昼,同じような月齢の月に火星が隠されました。細い月を探すのに,けっこう苦労した記憶があります。自動導入は偉大ですね。



☆★2024年5月の主な天文現象

 1日(水)  下弦の月
 5日(日) 白昼に火星食 
 8日(水)  ●新月 
 10日(金)  水星が西方最大離角 
 15日(水)  上弦の月
 23日(木)  ○満月 
 31日(金)  下弦の月 

☆★2024年5月の惑星
 水星 中旬,明け方の東空低空
 金星 観望困難
 火星 明け方,東の低空,うお座1.1等
 木星 観望困難
 土星 明け方の東空,みずがめ座1.2等
 天王星 観望不可 
 海王星 明け方の東空,みずがめ座7.9等
 
2024年の主な天文現象(徳島で見られるもの)
 05月05日 白昼の火星食
 07月25日 白昼の土星食
 08月10日 スピカ食(月齢6)
 08月12〜13日 ペルセウス座流星群極大(好条件)
 08月15日 火星と木星が接近
 9下旬〜10月 2023A3彗星が太陽,地球に接近(予報光度は0等)
 12月08日 土星食(月齢7)
 12月14日 プレアデス星団食(月齢13)
 12月25日 スピカ食(月齢24) 
2025年の超主な天文現象(徳島で見られるもの)
 01月04日 しぶんぎ座流星群,好条件
 01月12日 火星最接近
 03月24日 土星の環消失
 05月07日 土星の環消失
 08月17日 プレアデス星団食
 09月08日 皆既月食
 11月07日 プレアデス星団食
 12月31日 プレアデス星団食