某所にある望遠鏡の掃除をしてきたので報告。 by osaka.



望遠鏡はすべてタカハシ製で口径の大きい方から、ミューロン250、MT-160、FC-125。どれもカビが出てます。
屈折はレンズの接合面にもカビが出ていて手が出ないので、ミューロンとMT-160の掃除をすることにしました。
ミューロン250FC-125屈折MT-160ニュートン(ひどい...)

まずは、とっつきやすいニュートンのMT-160から分解を行います
構造が単純だし、良くわかっているのでこれは簡単に分解完了。
これが一番ひどい状態で、写真の通りまさにカビだらけ。斜鏡にもカビが...
セルから主鏡を外そうとして気が付いたのですが、主鏡を横から押している
金具のゴムが痩せて、主鏡ががたついていました。観測中のがたつきはこれが原因。
組み立てるときに、調整ネジでがたつきを取り除いて組み立てています。
斜鏡には鏡止めのカバーがありましたが、鏡はセル金具に接着されています。

MT-160の斜鏡主鏡セル分解斜鏡セル分解

つぎにミューロン。210は分解したことがあったけど、250の分解ははじめて。
主鏡側は、意外と簡単に分解できました。しかし、副鏡を見てみると、これもひどい状態。
分解するのを避けて通りたかった副鏡ですが、この状態では洗浄するしかありません。
意を決して取り外しにかかります。構造がどうなっているかわからないので手間取りました。
まず、副鏡の引きネジを緩めて副鏡セルを傾けられるようにします。電動フォーカサーの
モータカバーのネジが固く締っているので、こうしないとハンドル部の大きなドライバが
副鏡セルのスポークに当って入らないです。モータ部分のカバーを外した後、引きネジを
外すと、副鏡セルが奥に外れます。その前にモータ駆動用ケーブルのコネクタを外しておきます。
副鏡セルとフォーカサーのモータ部分はネジが切ってあり、副鏡金具とモータ部をねじると外れます。
副鏡だけを取り外すのは困難と判断し、モータ部を外した状態で副鏡を洗浄へ。

ミューロンの分解主鏡セルカバーを外したところミューロン主鏡
(わかりにくいがカビっている)
カビカビの副鏡副鏡の押引ネジとコネクタ副鏡セルを外したところ
電動フォーカサーのモータ部を分離


洗浄後の鏡の様子です。
ニュートン主、斜鏡ミューロン主鏡ミューロン副鏡

鏡筒の内側もカビが出ていたので拭き掃除をして乾燥した後、組み立て、乾燥剤を詰めて終了。
その前に、大幅に分解したミューロンについては見えるかどうか心配だったので星像による調整も。
レーザコリメータで副鏡の位置調整はしてあったものの、ボケボケで木星の模様すら見えない状態。
主鏡が緩んでいるかも知れないと思い再度分解。予想通り主鏡が緩んでいたので少しネジって固定し
副鏡の調整。押引ネジだけで微妙な調整を行うのは結構難しいです。でもまあ木星も問題ない程度まで
見える用になり、アルビレオの内外像がほぼ同心円形になっていることを確認して調整を終えました。

Special Thanks to ダヤンさん!



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