広角アイピースと2インチ天頂ミラー 

ミューロン180用で星雲星団を観察するときに,従来は40mmのPLを使用していました。PL40の視野は40°ほど。星像はごく普通ですがとにかく視野が狭い。高倍率ならまったく気になりませんが,倍率が低めになるとちょっと窮屈です。それで,広角のアイピースを探していたところ,手頃な感じのブツが見つかりました。
 それがWS(ワイドスキャン)30mmです。WSはかつて日本の某光学メーカーが販売していたものです。それがまたリニューアルされてリバイバル販売。
 このWS-30アイピースはずっしりと重く,しかも巨体のため存在感めいたものがありますが,コーティングは上質なものではなく,反射光はけっこう強く感じられます。対物側のツヤ消しも少々手抜きな感があります。
 さて実際の見え方です。ミューロンに取り付けて覗いてみると70倍強。視野は84°とさすがに広いです。70倍というと低倍率ではなく中倍率の範疇でしょうか。この程度であれば星像自体の短所はわかりづらいもので,特に問題はありません。それよりもヌケが良くて,『澄んだ』印象があります。これはなかなか好印象です。また売りの広視野も8割を超えないと星像のくずれはわかりません。それもかなり意識して眼を周辺に向けないとです。普通に中央部を覗く場合は,こちらも特に問題ありません。そこそこお薦めできるブツのような気がします。
 
 
上はWS-30mmと同時に入手した2インチ天頂ミラーですが,こちらはたいへん質の良い仕上がりの一品。内部のツヤ消しも上等で,中を覗き込んでも黒さが感じられます。製造はWilliamOptics。高品位なアポ屈折を制作しているアメリカのメーカーです。
 鏡面は高精度で,増反射処理により反射率も97%と説明されています。

  下のイメージは,ミューロン180で覗いた感じに近い状態を表してみました。モデルはM13球状星団です。左がWS-30mmでのもの。右は同じくPL-40mmでのもの。

 
 
※眼を画面から10cmくらいまで近づけると,実際に近い感じになりそうです。 
 
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