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Tokushima Astronomical Research Association

7月の星空案内

 2025年も半分が過ぎました。今年は,恐ろしいほどに早い梅雨明け。天気が良い日が続きそうなのは良いことかもしれませんが,ほぼ一ヶ月ほど早く猛暑ラッシュがやってきそうな気配も。
 世はお米の価格高騰が大きな問題になっています。梅雨の時期が短いと,水不足,高温障害,害虫発生等々でお米の育ちは良くない。結果,お米の供給に問題が生じやすく,値段問題の解消にはならないどころか,流通自体に問題も出てきそう。困ったものです。天候も平均的なのが一番なのでしょうね。
 さて,7月の星空です。特別注目な天文現象は見当たりません。なので,何か注目ポイントを探してみましょう。
 筆者は最近,日が替わる時間帯ですが,飼いネコとベランダにて夕涼みならぬ深夜涼みをやってます。昼間の高温高湿度はもちろん姿を消して,さわやかとはいえませんがけっこう快適です。ネコはうれしそうにベランダを走り回っています。私は,簡易ベンチに腰掛けて夜空を見上げます。場所は徳島市内の中心部。空はとても明るいため,確認できるのは2等星前後がやっと。薄雲があるとそれさえも怪しくなり,一等星しか見えない夜も。
 月も惑星もない夜は二重星めぐりをします。二重星は,空の明るい市内中心部でも楽しめる天体です。ネコが気になるので短時間だけ。ということで昨夜も観望したのは,うしかい座ε『イザール(プルケリマ)』と『さそり座アンタレスB』の二つ。使用したのは短焦点の10cm屈折。プルケリマは,小さいながらも色の対比が黄色と青の彩度が高めで,長い時間見ていても飽きないほどの美しさです。『もっとも美しいもの』,その名のとおりですね。主星は2.7等で黄色,伴星は5.1等で青色。
 下は,10cm屈折によるイザールのスケッチです。本当はもっと小さく見えてます。

 一方,アンタレスBは超難関。10分ほど見つめ続けて,この感じでは見えないかな(見えない夜の方が多い)と思っていたら,ディフラクションリングの揺れが収まったときに,小さく緑っぽく見えました。本当は青っぽい色の伴星らしいのですが,アンタレスの強い赤色の補色としてかぶさって感じられるのでしょうか。
 おとめ座のポリマも等光の接近した二重星で見応えがあります。しし座のアルギエバもなかなかの見え味。この二つは早い時間帯でないと,西に傾いてきます。逆に,そろそろアルビレオも見やすくなってきます。今時は,明るく見応えのある二重星がけっこうあります。目立つ天文現象のない夜は,二重星めぐりも楽しいかも。 


☆★2025年7月の主な天文現象

 3日(木)  上弦の月
 4日(金)  水星が東方最大離角
 7日(月)  七夕(新暦)
 11日(金)  ○満月
 18日(金)  下弦の月 
 25日(金)  ●新月 

☆★2025年7月の惑星
 水星 上〜中旬,夕方西空 ※高度は高くない
 金星 観望好期,未明東空,明けの明星−4.0等 
 火星 観望はまだ可能 夕方西空に1.5等 ※視直径は小さい
 木星 観望困難
 土星 深夜〜未明, 0.9等
 天王星 深夜〜未明,東低空 5.8等 
 海王星 深夜〜未明,7.8等
 
2025年の主な天文現象(徳島で見られるもの)
 8月13日 ペルセウス座流星群極大(条件△)
 8月17日 プレアデス星団食(月齢23)
 9月8日 皆既月食(深夜)
 11月7日 プレアデス星団食(月齢16)
 12月14日 ふたご座流星群極大(良条件)
 12月31日 プレアデス星団食(月齢12) 
2026年の超主な天文現象(徳島で見られるもの,見えの良くないものは除外)
 1月7日 レグルス食(月齢18)
 3月2日 レグルス食(月齢13)
 3月3日 皆既月食
 11月24日 プレアデス星団食(月齢15)
 12月14日 ふたご座流星群極大(好条件)