10月の星空。秋は月!,6日が中秋の名月となります。長期予報によると,傘マークも付いていて,あまり天候が良さそうには見えません。ただ,過去の撮影記録を見てみると,かなりの高確率でカメラに収めることができています。もしかしたら,雲だらけの少しの隙間から・・・みたいな感じになるのかもしれません。
さて,その中秋の名月に先立つ10月4日は,国際お月見ナイトとなっています。国際お月見ナイトとは,月見を楽しみ,月への理解を深めることを目的とした,年に一度開催されるNASAアメリカ航空宇宙局主催のプログラムです。
主な目的は次のとおりです。
@月観測等を通じて、月の科学・探査プログラムに対する認識を高める。
A地球の月を入口として、人々が月や宇宙科学・探査についてより深く学べるようにする。
B月にちなんだ物語、画像、芸術作品などの共有を促進する。
いろいろなアプローチで,月見を呼びかけるイベントですが,さて世界中のどれくらいの人が月を眺めるのでしょうね。この夜も,名月でも満月でもないのですが,世界中の人たちと月見というのはいかがでしょうか。
そして,その2日後が,中秋の名月となります。
『月々に 月見る月は 多けれど 月見る月は この月の月』という,詠み人知らずの歌があります。毎月,何気なく月に目を向けることは多いけれど,いざ月を見てみようと(意識して)月を見るには,今月のこの月だろう,という名月を愛でる歌です。澄み切った空に,ちょうど良い高度に煌々と輝く名月,普段の喧噪から離れ,心を無にして鑑賞するのも良いかもしれませんね。
まあ,秋は月見に適した季節だとは思いますが,今月は月よりも大注目の彗星が接近してきます。レモン彗星(C/2025 A6)です。※ちなみにレモンは果物のレモンではありません。レモン天文台由来の名称となっています。綴りも違います。
日本からは10月中旬くらいから,夕方西空に条件良く見えてきます。独自判断になりますが,明るく見やすい期間日時として,10月24日〜28日(18時半〜19時)をあげたいと思います。(もちろん,その前後も十分に見えています。)
上図は,各日付の18時45分の彗星の大まかな位置を図にしました。簡略化・モデル化しているもので,実際の尾の長さや傾きを正確に示すものではありません。
イオンの尾とダストの尾,もしかしたらこの2本の尾がきれいに写る可能性があります。さて,問題の明るさですが,9月末時点での予報は,上記の期間で3等前後。最大光度が4等ほどと予想されていましたが,若干上方に修正されているようです。まあ,彗星の明るさ予報はかなり難しく,気まぐれといっていいレベルだったりもするのですが,数多くの観測DATAからは3等程度の可能性は十分にありそうな感じです。さて,実際はいかに・・現場判断です。
ただ,上記オススメ時間帯では,高度15度ほどの3等。彗星の3等は明るくありません。”見映え”はそれほど良いとはいえないでしょう。双眼鏡が必要だと考えます。まあ,この彗星に関しては,尾が伸びた写真写りの良い彗星の可能性というのが,現時点での見通しです。
☆★2025年10月の主な天文現象
6日(月) | 中秋の名月 |
7日(火) | ○満月 |
14日(火) | 下弦の月 |
21日(月) | ●新月 C/2025 A6(レモン彗星)が地球最接近 |
30日(木) | 上弦の月 水星が東方最大離角 |
水星 | 月末,夕方西低空 |
金星 | 観望好期,未明東空,明けの明星−3.9等 |
火星 | 観望困難 |
木星 | 深夜 ふたご座で-2.2等 |
土星 | 観望絶好期,みずがめ座で0.8等 |
天王星 | 観望好期,おうし座で5.6等 |
海王星 | 観望絶好期,うお座で7.8等 |
2025年の主な天文現象(徳島で見られるもの) 11月7日 プレアデス星団食(月齢16) 12月14日 ふたご座流星群極大(良条件) 12月31日 プレアデス星団食(月齢12) |
2026年の超主な天文現象(徳島で見られるもの,見えの良くないものは除外) 1月7日 レグルス食(月齢18) 3月2日 レグルス食(月齢13) 3月3日 皆既月食 11月24日 プレアデス星団食(月齢15) 12月14日 ふたご座流星群極大(好条件) |